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「センセイ」と呼べないあなたへ

 センセイ…いや、あなたを「センセイ」と呼ぶことさえ吐き気を覚えますが…あえてそう呼んでおきましょう。

 センセイ、私のこと、覚えてますか?覚えてないでしょう。もう20年も前のこと。産休の教諭の代役としてクラスに入った講師のあなた。
 私は覚えています。あなたの顔はもう思い出せませんが、あなたにされたことは、記憶の底にひっそりと、しかししっかりと焼き付けられています。思い出したくもないこの記憶は、私の心から削り落とすことさえできず、忘れたことにして封印されています。

 小学校に入って、いきなりいじめにあった私。センセイ、あなたは私の訴えに、どう応えてくれましたか?
 いじめはどんどんエスカレートし、異変に気づいた親が飛び出してきて、…あなたはどんな対処をしてくれましたか?

 まぁ、ティラミスに砂糖と蜂蜜とメープルシロップをかけたくらい甘い、根っからのお嬢様なあなたには、そんなことは想像もつかなかったのでしょう。見事な放置プレイでしたね。「最悪な対応」の見本でしたね。
 当時の記憶は、心の奥底に封印され、忘れたことになっていました。これらは母から聞いた話で思い出したものです。

 幸いにして私は、親の転勤により1年半であの地獄から去れました。あのままあそこにいたら、今頃私はどうなっていたか…想像しただけでぞっとします。

 あれだけでも少なからず心はゆがみ、自分に自信を持てなくなりました。どうせこんな自分だからという、後ろ向きな考え方が未だに抜けません。表と裏…常に何かに怯えるようになりました。何をしても馬鹿を見るような感覚。そして、人を見る目がおかしくなりました。
 それらは再生産され続け、20年たった今でも引きずっています。
 あのあと、私は多くの方々に助けられ、持ち前の順応性も手伝って、表面上はすっかり立ち直りました。
 しかし、この傷を埋めることはできないようです。綺麗に塗装された表面の下で、あの頃の傷が腐食していっているようです。いまでも、ことあるごとに自分は嫌われれている、ここにいてはいけないんだという強迫観念にさいなまれます。自分から動かなければいけない、逆境の場面でそれが出てしまい、何もできなくなってしまいます。
 一時期綺麗になっていたけど、一昨年から昨年にかけていろいろあったら、それがまた出てきました。思い出になるには、まだまだ時間がかかりそうです。

 あのあと、あなたが教諭になったのか、講師を転々としたのか、どれくらいの児童を受け持ったのか、どれくらいの児童を絶望の淵に落としたのか、私には知るよしもありません。
 願わくば、あなたがあのあと教職を追われ、受け持った児童がいないことを祈ります。
 あなたにこんな思いをさせられるのは、私ひとりで十分だから…
 もうこれ以上、心に影を持った人を作ってほしくない。

 あれから20年近くの月日がたちました。あの日々の傷跡は、ココロの歪みとなって、今でも私自身を悪い方へ悪い方へと引きずり込んでいきます。
 あの日々がなかったら、あのとき巡り会えた「センセイ」が違う人だったら、きっと私は、今とは全く違う自分を生きていたでしょう…

 もしどこかであなたに逢うことがあったら、20年越しの鉄槌をプレゼントしてあげたい。でも、たとえあなたを地獄に送ったところで、失われた20年が戻るわけではありません。
 それに…私はその後、あなたとは根本から違う、心の底から「センセイ」と呼べる人に恵まれ、それなりには立ち直って大学院まで出てそれなりの社会的地位についている。シアワセかと言われればクビを縦に振れない私だけど、世間体だけはできてる。
 あなたなんかのために、そのかすかな居場所まで失いたくはない。あんなののために…

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 いつかの回想録です。ネタも何もない恨み節100%です。猛毒でごめんなさい。
 「あの人への手紙」として書いてみました。本人見ないだろうけど(毒)
 この文章は、ある日の日記として書いて、その後消した文章です。レスくれた人に悪いんで、サイトのカタスミにそっと置いておきます(笑)


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